肉離れ

そもそも肉離れとはどんな症状なのでしょうか。スポーツをされた方、またしている方は、一度くらい経験されたと思いますが、肉離れとは、ふとももや、ふくらはぎなどの足、上腕やひじなどの腕によく起こる症状で、筋肉の痙攣(けいれん)を引き起こす筋肉周辺の膜が損傷すること、筋肉組織の一部が破損したり、断裂することをいいます。肉離れには、軽度から重度までさまざまな症状があり、1度から3度で表されます。運動時に軽く痛みを感じる軽度(1度)の場合は、RICEすべてを行うのではなく、軽く圧迫する程度が適当で、歩くのもつらい中度(2度)の場合は、1~2週間程度RICEを行います。内出血を伴うなど、歩くことも不可能に近い重度(3度)の場合は、肉離れを起こした直後にRICEを施し、すぐに病院に行くようにしましょう。

原因
筋力不足、量・質ともに自分の筋力に見合わない運動負荷でのトレーニグ。また、太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)の筋力が太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)の筋力の5割以下であると筋力のバランスが悪くなり、ハムストリングスの肉離れが起こりやすいと言われています。
疲労が蓄積している自分の筋力に見合わないような過多な練習量で運動を続ける。ゴムで例えると、健康状態の筋繊維は新しい弾力のあるゴムですが、疲労状態の筋繊維は古い切れそうなゴムの状態になります。
季節・天候等の条件(寒い日)寒い時筋肉は縮んでいます。そんな時いきなり激しい動きをして一気に筋繊維を伸ばそうとしたら・・・
足に負担のかかる場所アスファルトや坂などでの練習。芝生や土と違って、地面からより強い衝撃が足に伝わってきます。上記のような状況で急なダッシュやジャンプ等を行いますと、肉離れの危険性がさらに高まりますので、自分の体とよく相談しながらトレーニングを行うようにしましょう。

治療法…肉離れの治療法は、筋肉のトラブルであるため、筋肉のことをよく考え、適切な処置をする必要があります。その処置としては、ほとんどのスポーツ時のケガやトラブルなどの応急処置や治療として、よく利用されているRICEという治療法が有効です。RICEとは、応急処置、簡易治療法として有効といわれる、ケガ患部を安静にすること、よく冷やすこと、包帯などで圧迫すること、心臓よりも高い位置に挙げることの4つの処置法の頭文字をとったもので、RはRest(安静)のR、IはIce(氷冷)のI、CはCompression(圧迫)のC、EはElevation(高挙)Eを表しています。
では、肉離れの治療法RICEをもう少し詳しくみてみましょう。
RICEは、患部への血流を抑えることで、腫れを抑える効果があり、重度のケガの場合でも、適切に行うことで、治癒を早める効果を発揮するといわれています。肉離れを起こした時は、ストレッチをしたり、患部を下手にマッサージすると、かえって逆効果になってしまいます。肉離れを起こした時は、まず、R。安静(Rest)にすることです。次に氷冷(Ice)。氷と包帯を利用して、患部を充分に冷やすこと。皮膚を傷めないようにタオルなどをかぶせて、氷で冷やすようにしてください。そして、C。圧迫(Compression)すること。包帯などでしめつけすぎないように注意しながら、患部を圧迫します。冷やしながら行うことで、さらに効果的です。Eは、高挙(Elevation)。心臓部より患部を上に挙げることで、血流を緩め、患部の腫れを抑えることができ、重力を利用して止血を促がす効果があります。高挙は、横になって行っても効果的ですし、寝るときに行うことも有効です。
予防のためには、まず原因を考えてみましょう。肉離れの原因は、筋力の低下はもとより、筋力の低下だけでなく柔軟性の欠如による影響、またウォーミングアップ不足が、肉離れの原因として一番大きなポイントといえます。その改善が予防策につながる一番の方法を紹介します。運動前にしっかりとストレッチを行い、筋肉をしっかり伸ばし、しっかりウォーミングアップすることで、収縮性を保つことが重要ですが、こまめに水分補給することで、その筋力の柔軟性を向上させることが可能です。しかも、運動中にもこまめに水分補給をすることで、運動時に発生した筋肉の熱を冷やす効果もあるので、肉離れはもとよりケガ防止のために運動前には、しっかりしたストレッチを、運動中のこまめな水分補給をしっかりと意識してください。