コンパートメント症候群

外傷による急性型と、運動などの持続によって起こる慢性型とがあります。下腿骨骨折に続発する場合は、とくに高度のはれを伴うことが多く、注意が必要です。そのほかスポーツや長距離歩行によって、過度の負担が下腿に加わった際にも起こります。また、ギプスや包帯による圧迫が原因になることもあります。

原因
コンパートメント症候群は、損傷を受けた筋肉に過度の腫れが生じ、腕や脚に重大な障害を与えるおそれのある状態です。腕や脚の骨折や圧迫などによる組織の損傷が原因で発生します。筋肉は周囲を線維組織で覆われていて、1つの閉じた区画(コンパートメント)になっています。損傷を受けた筋肉の腫れが進み、閉じた区画内の腫れがひどくなり、さらにギプスによる固定などが加わると、筋肉組織の内部の圧力が上昇します。内圧が上昇すると、筋肉に酸素を供給する血流が減少します。酸素の欠乏状態が長時間続くと筋肉の損傷がさらに進み、腫れが増大することで、組織にかかる内圧もさらに上昇します。こうした悪循環により、わずか数時間で筋肉や周囲の軟部組織に不可逆的な損傷や壊死が起こることがあります。
骨折後に、固定した腕や脚に痛みがあって次第に強くなっていく、固定した腕や脚の指をそっと動かしただけで痛む、腕や脚がしびれるといった症状があれば、コンパートメント症候群が疑われます。筋肉の内圧の測定結果に基づき、コンパートメント症候群の診断を確定します
下腿に発赤やはれが現れ、緊張感が高まって痛みが出てきます。手でストレッチをすると激痛を伴うようになります。放置すると内圧の上昇により神経が圧迫され、しびれが起こることがあります。
治療法…まず予防方法ですが、症状が出たらスポーツ活動などを中止することです。

その後筋肉のアイシングをおこないます。
その他にもトレーニングプログラムの見直しやシューズ・ランニング技術の検討、練習環境などの改善などが効果的だと思われます。
外傷後の処置としては、静脈還流を促進するため患肢挙上が行われるが、心臓と同じ高さを保っていればよいでしょう。
コンパートメント症候群の治療法としては、針灸治療が有効です。(急性の場合を除く)
現状を把握しながら、長趾伸筋、長母趾伸筋、前脛骨筋、長・短腓骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋、ヒラメ筋、底筋などの筋肉に適切な処置をとります。
以上がコンパートメント症候群の症状、治療、予防方法、原因です。
治療が必要な場合は実績のある専門医のいる病院で、治療を進めることが重要であるといえるでしょう。