ジャンパーズニー

ジャンパー膝とはスポーツにより膝伸展機構を過剰に使っていると起こる症状です。膝伸展機構とは膝を曲げ伸ばしするときに使う器管(大腿四頭筋、大 腿四頭筋腱、膝蓋骨、膝蓋靭帯、脛骨粗面)で構成されています。ジャンプ、キック、ステップなどの動きを繰り返し行うスポーツ選手に多いと言われていま す。もともとバレーボールやバスケットボールの選手に多かったことからジャンパー膝と名づけられました。典型的な症状は膝蓋骨の上部に痛みを認める大腿四 頭筋腱炎、膝蓋靭帯に痛みを認める膝蓋靭帯炎があります。膝蓋骨の下端に骨片や骨化異常、石灰像を認めるSinding-Larsen- Johansson病やオスグット病(オスグットシュラッテル病)なども広義のジャンパー膝と捉えられることがあります。

原因
大腿四頭筋の柔軟性低下が要因の1つに挙げられます。特に成長期の長身選手は、骨の成長に筋肉の成長が追いつかず、相対的筋短縮(筋肉が硬い)状態を招い た結果、筋肉が運動による負荷を吸収することができないため、そのストレスが末梢の膝蓋骨周辺に蓄積するために起こる慢性・疲労性障害です。

治療法…保存療法を原則とします。初期段階では痛み止めの服用や湿布で 治療を行い、熱感が消失した後、超音波治療器や低周波などによる物理療法を用います。さらに最近では、ヒアルロン酸の注入や超音波対外衝撃波を用いること もあるようです。ただ、保存療法で半年以上回復がみられない場合は、手術に至ることもあります。圧痛のみならず運動時に感じる痛みも完全に消失して、大腿 四頭筋の柔軟性が得られ、尻上がり現象(踵とお尻をつけようとしたときに、大腿四頭筋が伸長されるため疼痛が誘発されるのを防ぐために尻を上げる逃避現 象)がなくなったあと、徐々に競技を再開することが大切です。
再発を予防するためには、スポーツ現場で可能な大腿四頭筋の固さのチェックとストレッチ、膝前面のアイシングを徹底しましょう。アイシングはクールダウンの時だけでなく、ウォーミングアップ時にも取り入れてストレッチをしながら冷やすことも効果的です。