背中・腰側弯

脊柱側弯症は、脊柱の側方弯曲とねじれをともなう変形です。この原因には先天性、麻痺性、筋性などのいろいろな病気がありますが、原因の不明なものを特発性脊柱側弯症と呼びます。側弯症のうちの70~80パーセントを占めています。発症する時期により乳幼児期、学童期、思春期の3つに分けられ、このうち思春期側弯症がもっとも多く、特発性脊柱側弯症の70~80パーセントを占めています。10歳から成長が終わるまでの間に発症するもので、80パーセントが女性です。年齢が若いほど進行しやすい病気です。

症状
軽度の脊柱側弯症では症状があまり現れません。長時間座っていたり立っていたりした後に、背中が痛んだり、こることがあります。軽度の脊柱側弯症は、定期健康診断で発見されることがあります。子供の片方の肩が高いようにみえる場合や、衣服の丈が真っすぐでない場合には、この病気を疑います。
この病気の子供のほぼ半数では、病状が悪化する傾向があります。弯曲が強かったり、さまざまな症状が出るほど、悪化する可能性が高くなります。
脊柱側弯症は子供が思春期に達すると悪化する傾向があるので、発症が早いほど悪化も進みます。そのため10歳の子供の軽い弯曲は、16歳の子供の同程度の弯曲よりも深刻です。脊柱側弯症の悪化は、顕著な体の変形や慢性的な痛みなどの永久的な症状を引き起こします。この病気が重症になると、肺の変形や損傷など臓器への影響を引き起こすことがあります。脊柱側弯症は症状が出ていなくても悪化することがあります

原因
側弯症の80%は特発性側弯症と言われ、原因は分かっていないのが現状です。
遺伝的、神経学的な要因などさまざまな要因があげられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。圧倒的に女性に多くみられることから女性ホルモンが何らかの原因にもなっているのではと考えられています。

治療法…側弯の程度によって違いがありますが、まず装具療法を行います。この他に、体操療法、電気刺激、メラトニン(ホルモン)療法などがありますが、現実に治療効果があるのは装具療法といえます。
現在使われている装具で最も多いのは、アンダーアーム型といって、脇の下から胴体部分に装着するプラスチック製の装具です。これですと、ゆったりとした服を着たら外見上わからなくなります。残念ながら、このタイプの装具では胸椎の上部(頚椎に近い部分)の弯曲には効果がありません。しかし、上部胸椎はそれほど進行しないことが多いです。