オスグット病(オスグットシュラッテル病)

小学校高学年から中学校の生徒が、積極的なスポーツ活動をしているうちに膝の前面に痛みや骨の隆起を訴え、よく外来を受診されます。その多くはオスグッド病と呼ばれる10代前半に好発する代表的な骨端症(成長期に変化の起こる病変)で、脛骨粗面の骨端軟骨に分離や遊離が生じる障害です。スポーツ時の膝前方部分の痛みや腫れでひどい時には通常の歩行時の痛み訴えることや正座ができなくなること膝をついて座ることができなくなります。

原因
原因はいろいろあると考えられていますがスポーツなどによる”使いすぎ症候群”の一つとされています。膝蓋骨と脛骨の間にある靭帯に、ランニングやジャンプ動作により大腿四頭筋(膝を伸ばす筋肉)が収縮することにより過剰な力が繰り返し加わったため、成長期の未熟な脛骨の表面が損傷されておこるものと考えられています。

治療法…
保存的治療が原則です。まずスポーツ活動を一時中止していただき、薬物療法として短期間の非ステロイド系抗炎症剤を処方し、リハビリテーションとしては温熱療法、大腿四頭筋のストレッチングや筋力強化訓練を指導します。難治例ではギプス固定やステロイド腱内注射を検討します。症状が改善すれば十分なウォーミングアップを行わせ、オスグットサポーターを着用させスポーツ活動を再開させます。スポーツ終了時には必ずクーリングダウンとしてRICEの処置や各種のストレッチングを指導します。
尚、多くの症例は骨の成長が止まる17~18歳で自然に改善します。しかし、長期にわたって痛みを訴え、分離骨片を認める症例では手術的治療(骨片摘出術や周囲の軟部組織と滑液包を摘出する手術)が検討されます。
痛みの強い時期は安静にし、患部を冷やす。痛みが強い場合はスポーツを休止する。スポーツの前後は入念にストレッチを行なう。特にバスケッドボールなどの様に体幹を前に曲げた姿勢が長いスポーツでは、大腿四頭筋が短縮したままになりやすいので症状が回復しても念入りにストレッチを行なう。下半身を冷やさない。日常での姿勢の見直し。日常でのからだの使い癖を見直す等が大事になってきます。