骨折

 

骨折
骨折すると骨片によって、四肢では神経や血管、肋骨では肺や心臓を損傷することがあります。脊椎の骨折では骨片が脊髄を圧迫して支配領域が麻痺することもあり、頸椎の場合では死亡するケースもあります。骨髄や骨盤がある部位での骨折でも、出血性ショックなどが原因で死亡することもあります。高齢者は骨折で寝たきりになりやすく、認知症や肺炎などを併発するケースも多く見られます。ずれた骨を正しく矯正しなかったり矯正した骨を十分に固定しなかったりしたために骨が曲がったままくっつくことを「変形治癒」といいます。

変形治癒はおもに、整復が難しい骨折や癒合していない骨を患者が勝手に動かした場合に起こります。美容的な問題だけでなく、血管や神経などの組織を圧迫することや正常機能を失うこともあります。骨折の部位や程度によっては、折れた骨をくつける仮骨が通常よりも過剰に出ることがあります。また、骨のずれが正しく整復・矯正されない場合も過剰に仮骨が出てきます。この「過剰仮骨」は関節を動かせなくなったり、慢性的な痛みが続いたりする後遺症の原因になります。